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『すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』感想レビュー!夢や憧れを思い出せないのはどうして?

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映画情報

邦題:すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ
原題:すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ
公開年及び国:日本(2021年)
上映時間:65分
監督:大森貴弘

<キャスト>
ナレーション:井ノ原快彦
ナレーション:本上まなみ

<概要>
すみっこで過ごすことが好きな「すみっコ」たちは、キャンプに行くことにした。実はこの日は5年に一度、月からやって来た魔法使いが夢を叶えてくれるというの青い大満月の日。

偶然、魔法使いたちのナイトパーティーに出くわしたすみっコたちは楽しく過ごすが、なんと魔法使いの一人が月に帰りそびれて置き去りになってしまい…

映画すみっコぐらしシリーズの第二弾。

こんな人にはおすすめ!&おすすめしない!

<こんな人におすすめ>
・すみっコぐらしが好き
・ほっこりするアニメが観たい
・たくさんキャラクターが登場するアニメが好き
・ハッピーエンドが好き

<こんな人にはおすすめしない>
・ナレーションしかないアニメは苦手
・子供向けアニメに興味がない
・いっぱいキャラクターが出てくるのは苦手
・アクションや戦いが観たい
・ストーリーが凝っていて欲しい

評価

ストーリー ★★★★★★☆☆☆☆

画面映え  ★★★★★★☆☆☆☆

ユニーク  ★★★★★☆☆☆☆☆

前作で感動の渦を巻き起こし賛否両論だったすみっコ映画ですが、個人的にはストーリーの深みや感動感が薄れてしまったのは少し残念。ですが、それでも大人が観てはっとする強いメッセージも含まれています。

【ネットなどでのおおよその評判】


CGと世界観の相性がよく、演出が美しい!
悲しい展開でなくなって子供にも安心
夢というテーマは大人にも響く

前作に比べてストーリーの感動度合いが低い
とかげばかり活躍し他の子の出番が少ない
台詞のないナレーションスタイルが合わない

などの意見があり、前作よりもお子さん向けの映画となりました。感動できなくてがっかりという意見も見られますが、それでも「大人が観ても良かった!」という感想は相変わらずあります。

あらすじ

今回も登場人物は前回同様、ねこ、とかげ、しろくま、ぺんぎん、とんかつ、えびフライのしっぽがメインのようです。5年に一度の青い大満月の日にキャンプに行ったみんなは、偶然5人の魔法使いたちと出会います。

夢を叶えてくれるという言い伝えがある魔法使いたちですが全然そんな気配はなく、それどころかすみっコたちは置き去りになってしまった五人兄弟の末っ子ファイブの面倒をみることになってしまいます。

まだ未熟な魔法使いであるファイブをすみっコたちは温かく受け入れ、5年後の青い大満月の時まで一緒に過ごすことにしました。特に、兄弟と会えないファイブとお母さんと一緒に暮らせないとかげは共感して友情を深めます。

そんな中、優しいすみっコたちにお礼がしたいと考えたファイブは、とあるプレゼントをしてくれたのですが…

見どころ① CGと相性のいい魔法使いの世界

前作でも映像の美しさは際立っていましたが、今回は夜に出没する魔法使いのお話であるので、CGとの相性がめちゃくちゃいいんです!絵本調なのに、光のきらめきをすごく感じるんですね。


序盤のナイトパーティーの場面では音楽も配色もとにかく賑やかで幻想的ですよ。これ多分、真っ暗な部屋で大きいスクリーンで見たらめちゃくちゃ没入感ありそう…!映画館で観たかった…

一方でお昼の風景は微笑ましくて素朴です。スーパーマーケットの場面があるんですが、背景が細やかなんですよ。看板とか値札とか、そういった日常的なものが実物のように庶民感があってクスっとなります。すみっコのお話ってこういう背景とか小道具がすごい凝ってるんですよね。

見どころ② 隠し事があったっていいという優しさの世界

今作の主人公ともいえるとかげですが、実は隠し事があります。


すみっコファンなら周知の有名な話なのですが、とかげはとかげではないのです。実は恐竜の生き残りなのです。お母さんである恐竜すみっしーとすみっコたちは会ったことがありますが、その時ですら自分が恐竜であることを秘密にしていました(つまりすみっしーとは親子であることを秘密にしています)。

そのためか、実はなめくじであることを隠しているにせつむりととかげは親しい間柄なのです。友人たち全員と秘密を共有しなくてもいい、隠し事があったっていいという優しさがあるんです。友達にだって言いたくない秘密って誰しもありますからね。

すみっコぐらしは友達との付き合い方をすごく伝えてくれるものだと感じます。以前にも紹介しましたが、こういう本もあるんです。

小学生向け処世術の本ですね。「みんな仲良くしようね!」という机上論じゃなくて、苦手な子がいたらどうしよう…ということまで書かれています。

見どころ③ 大人こそ「夢」を失う生き物である

夢がテーマの映画なのですが、ただ単にみんなの夢を叶えようというストーリーではなく、むしろすみっコたちが夢を失ってしまうシーンがあります。

本当はなりたい夢があるのに、認めようとしていない。夢がかなうはずないと諦めて自己嫌悪している。諦めて惰性で生きる。自分は夢など無くても大丈夫だと思い込む。そして、叶わなければ悲しいのであれば夢なんてない方がいいと決めつける。

こうした夢を失った状態というのは子供たちよりもむしろ、大人の方が共感するのではないでしょうか。どうやってその状態を打開していけるのか、手段には個人差がありますが、一つの答えをすみっコたちは出してくれています

そもそもファイブを始めとした魔法使いたちって、好きなお菓子を出現させて自由に空を飛び回り、学校にも仕事にも縛られず毎日遊んで暮らせる存在なんです。だから、「〇〇が欲しいな」とか「〇〇をしたいな」と思ったらすぐに叶ってしまうんですね。だからこそ、夢を持つというのが難しい

現代社会は情報化も技術も進んで、幼い頃から色んなテクノロジーが手に入るようになりました。スマホやYouTube、その他もろもろたくさんのツールを利用することができます。しかし、人間の脳が最も幸せを感じる(ドーパミンが出る)のは、初めての挑戦に成功した時だと言われています。

何もかもが揃った生活の中で、現代人は知らないうちに「初めての〇〇成功」を失ってしまっているのかもしれません。

感想 大人こそ夢が何かを考える

やはり前回同様の注意となってしまいますが、ナレーションの存在については触れておくべきかと思うのでもう一度説明しておきます。

すみっコたちには台詞がありません。正確に言うと、台詞の代わりにキャラクターの周辺に手書き字幕みたいなものが出ます。展開は全てナレーションが説明を行うのですが、時折すみっコの行動にツッコミをしたりするので、苦手な人は苦手かな、という印象があります。

さて前回は「大人も感動できる!」と話題になったことで有名なすみっコぐらしの映画ですが、その一方で「子供が大ショックを受けた」という話もありました。

↓こちらが前作の『とびだす絵本とひみつのコ』の記事です。

今回は前作よりもずっと子供向けになって一安心ですね!悲しい展開にはならずに済みました。前作がかなり良かったので大人として「感動みが欲しい~!」という物足りなさを感じたのは事実なんですが、そもそもこれは子供向けのアニメですからね…!

ですが、夢というテーマはむしろ大人こそ考えさせられるのではないかと思うのです。夢に対して絶望することって子供はあんまりないと思うんですよね…さらに言うと、せっかく子供時代に「もし夢を諦めてしまったらどうすればいいのか」という内容の映画を見たとしても、大人になったら忘れてしまっている可能性が高いです。

だからこそ、この映画は大人になっても観て欲しいよね、と思います。
大人になれば、いつか夢を失ったり絶望したりする時が来ます。
そんな時に思い出して欲しい映画だな、と感じました。

コラム 夢を失ったらどうしたらいい

恥ずかしながら大人である自分も夢をロストしかけたことが何度もあります。そんな時に役に立った本があったので、ご紹介。ちょっとすみっコとは関係いのですが…

ジャズピアニストの本です。忙しいから夢を諦めたとかではなく、「自分よりもうまい人なんていくらでもいるという嫉妬と卑屈さ」「練習したいのに続かない自分は怠け者の駄目な奴」「どうしたら評価や恐怖から解放されて心穏やかに自分の夢と付き合えるか」など、大人ならではの悩みに答えてくれる本です。

音楽家についての目線で書かれていますが、芸術系の趣味や夢などお持ちであるのならかなり役に立つ本です。

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『すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』 関連グッズ

前作のひよこはそうでもなかったんですが、なんと今回活躍するファイブはグッズがめちゃくちゃ多いんです!! 

手芸とかはお子さんと一緒に楽しめる知育としてもいいですね。

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