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『天国から来たチャンピオン』感想レビュー! 天使のミスで死亡?! 絶望のアメフト選手、悪人セレブとして転生!

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映画情報

邦題:天国から来たチャンピオン
原題:Heaven Can Wait
公開年及び国:アメリカ(1978年)
上映時間:101分
監督:ウォーレン・ベイティ
バック・ヘンリー

<キャスト>
ジョー・ペンドルトン(主人公):ウォーレン・ベイティ
ベティ・ローガン(ヒロイン):ジュリー・クリスティ
ジョーダン(天使):ジェームズ・メイソン
マックス・コークル(コーチ):ジャック・ウォーデン
ジュリア・ファーンズワース(悪のセレブ妻):ダイアン・キャノン
トニー・アボット(セレブ妻の愛人):チャールズ・グローディン

<概要>
プロのアメフト選手、ジョーはある日交通事故で死んでしまう。ところが実はジョーにはまだ寿命が残っており、天使のミスで死んでしまったことが判明。代わりの身体を貰えることになったものの、スーパーボウルに出場できるような肉体でなければジョーは納得できない。そんな中、とある悪徳セレブが人を苦しめているのを目撃してしまう。彼女を救うにはそのセレブになるしかなく…

こんな人にはおすすめ!&おすすめしない!

<こんな人におすすめ>
・面白い設定が好き
・お調子者が活躍する物語が好き
・うっかり者で詰めの甘い悪役が好きだ

<こんな人にはおすすめしない>
・主人公カップルが幸せに結ばれるハッピーエンドでないと嫌
・アクションや戦いが観たい
・ご都合主義が好きじゃない
・推理のシーンは理路整然としていて欲しい

評価

【個人的な評価】

ストーリー 
★★★★★☆☆☆☆☆

画面映え
★★★★☆☆☆☆☆☆

ユニーク
★★★★★★☆☆☆☆

善人の脳味噌筋肉スポーツマンが悪徳セレブになってしまうという設定がとにかく面白いです!さらに、監督である友人との友情はグっとくるものがありますね。ただ、ご都合主義な展開も見せるので恋愛ストーリーとしては過度の期待はしない方がいいかもしれません。

【ネットなどでのおおよその評判】


純真な主人公の破天荒さが面白い!
友情の物語も楽しめる
不思議なストーリー設定が秀逸

別人になった主人公の見た目が変わらない
終盤の展開にちょっと無理がある
昔の映画なので映像が微妙

やはり設定の面白さが評判です。しかし一方で主人公の見た目が新しい体と元の体で一緒であることに違和感を感じたり、終盤にいたるにつれストーリーに無理があるという指摘も。

あらすじ

スーパーボウルを目前に練習に励んでいたアメフトの選手ジョーは、ある日交通事故に遭って死んでしまいます。ところが、その死が実は天使のミスであったことが判明。激怒したジョーは代わりに自分と同じくらいのプレーができそうな健康体を要求します。

なかなかいい肉体が見つからない中、ジョーは悪徳セレブがベティという女性を苦しめているのを目撃。彼女を救うには、この悪徳セレブを乗っ取るしかありません。

結局悪徳セレブとして蘇ったジョーは根っからの善人ぶりを発揮し、周囲を驚かせます。しかも運のいいことに新しい体はアメフトにも向いており、かつてのチームに期待の新星として入りこむことにも成功。さらにはベティとの恋愛も順調と順風満帆の人生が再スタートしようとしていました。

ところが、そんなジョーの元に天使がやってきます。実はこの悪徳セレブの身体は、そろそろ死ぬ運命にある体だったのです……

見どころ① 死後の世界のシステム

死後の世界を描く映画は古今東西たくさんありますが、この映画においては飛行機乗り場が所謂三途の川という扱いになっています。と

この中継駅というところから天国へと旅立つわけですが、実は中継駅のイメージは個々人で変わってくるそうです。宗教観によって死後のイメージが違うように、個々でも違うというのがなんだかおもしろいですね。

なので川が死後のイメージだったら川に行くし、花畑だと思っているのなら花畑に行くし、マクドナルドだと思っていたらマクドナルドに行くことになります。ジョーのイメージが飛行機乗り場だったので、そうなったわけですね。

ではそもそも人の死はどういうシステムになっているかというと、以下のようになっています。

※まず、人間は誰かによって「死亡」が確認されるまでは「死んでいない」ことになります。

1.人間が死にそうになると天使が迎えに行く。
2.現世の誰かが「死んでいる」ことを確認する。
3.死亡が確認できた人間を中継駅へと連れて行く。

ところがジョーを担当した天使は早とちりしてしまい、ジョーの死がまだであるにも関わらず「死んだ」と判定して中継駅に連れてきてしまいました。実際、ジョーはこの交通事故では死なず、50年後に死ぬ予定だったのです。

ミスが発覚したためジョーは生き返ろうとするのですが、遺体が火葬されてしまい戻る肉体を失っていました(キリスト教圏にしては珍しいですね)。当然のごとくキレるジョーでしたが、実は裏技があるのです。

「死亡が未確認」の遺体に入り込めば、なんとその遺体の持ち主として生き返ることができるのです!ジョーは色んな「候補」を天使と一緒に物色しにいきます。何しろ自分の天職であるアメフトができる体でないと意味がないですから。

死後システムは前述のとおり、そこそこに都合のいいシステムです。しかし、実はいいことばかりではなかったりします。そのことはだいぶ後になってから分かります。

因みにこの映画の設定は、ニューヨークの幻とか、オールウェイズという映画の先駆けでもあるそうですよ!

見どころ② 悪役たちを圧倒する底抜けの明るさ

正義漢のスポーツマンが、悪人セレブになってしまうという喜劇がウリの映画なのですが、ジョーはただの常識人の善人ではありません。とにかく脳味噌筋肉で、愛と正義とアメフトのことしか考えてないみたいな感じの男なんですね。

ジョーが乗っ取った悪徳セレブのファーンズワースは会社経営をしているだけあって、本来は上流階級の賢い部類の人です。ところがジョーは株主の意味すら知らないので、部下や召使たちは大混乱します。

ところでファーンズワースの体がそもそも何で死にそうになっていたかというと、実は妻と不倫相手の秘書が謀殺したからでして、そこから蘇生してジョーが肉体を乗っ取っているという状態にあります。

九死に一生を得た夫が、殺されかけたにも関わらず警察に通報もしない。会社が悪事をしてまで得た利益を潰して善行を行う。様子も妙に陽気でおかしい深読みした妻と秘書は、ジョーを恐れるようになるのです。

本来であれば遺産狙いの妻と不倫相手なんかひとドラマありそうなのに、ジョーはベティとアメフトのことにしか目がありません。なので、彼らとのやりとりはとてもコメディチック。

普通に暮らしているだけのジョーの裏を読もうとして勘違いしたり、二人の不倫を知っていながら全く気にも留めずにいるジョーに唖然としたり。殺されかけても不倫されてても全く悪役二人を相手にしないですから、天性の明るさなんでしょうね。

かといって、ジョーがずっと面白キャラのままかというとそうでもありません。自分のいたチーム、ラムズの入団試験の際に秘書の悪知恵で嫌がらせを受けますが、熱意と実力でひっくり返すのです。

悪役は勿論のこと、時には味方も混乱させる天真爛漫さがありますが、やはり憎めない明るさなんですね。単に優しくて真面目で善良でというキャラではなく、わりと無鉄砲で周りに迷惑をかけてくるというところが笑いと親しみやすさを誘います。

見どころ③ マックスとの友情

意外かもしれませんが、ベティとのラブストーリーよりもジョーの親友、監督のマックスとの友情の方が印象が強い映画だったりします。実は、マックスだけがファーンズワースの正体がジョーであることを知っているのです。

二人の再会は、ジョーがファーンズワースの体でスーパーボウルに出ると決め、トレーニングのためにマックスを呼ぶことにした時でした。マックスにまた会えて嬉しいジョーと親友が死んだばかりで悲しいマックスとの初対面の温度差がめちゃ面白い。

ラブストーリー要素があるのでメインヒロインはベティなのですが、むしろマックスとの友情の方が目立っている印象すらあります。

しかしマックスとジョーに関しては、かなりしんみりしたエンディングとなってしまいます…

感想 迷惑な男なのに真っ直ぐな善意が眩しい

設定が面白いのも勿論ですが、上記でもご紹介したとおり、やはりジョーの善人パワープレイっぷりが一番の面白さです!しかも完璧な爽やかイケメンヒーローとかいうわけではなく、序盤とかはちょいちょいベティから嫌われたり、会議で無理なことを言い出したり、天使にわがままを言って困らせるところは妙に現実味があって微笑ましいんですよね。

重役会議や警察の調査など、若干ご都合主義みたいなところがありますが、まあジョーの性格的にも尺的にもそこは言うほどでもないかな?と思います。ただ、ベティとの恋愛はもっと丁寧に描写されても良かったのでは、というところが残念でした…!恋に落ちるのがちょっと唐突な感じだったんですよね。

あと個人的にはライバルとされていたジャレットとの絡みがもっとあったら楽しかったなとも思います。自分が死んだ後、彼がチームのエースとしてずっと活躍しますから、何かしら焦りとか嫉妬とかあっても面白かった気がします。

因みにこの映画、どうやらエンディングで賛否両論別れるみたいなんです。見方にもよりますが、自分はわりとしんみり系のエンディングと感じました。今までずっとハッピーで楽しい!みたいだったのが冷めてしまったギャップというのは確かに感じます。

でも、自分はむしろ辻褄が合ったんじゃないかなと思いました。人間が認識しているのって結局物理的な肉体の方ですから、そっち基準で世界が回っていないと色々軋轢が出てくると思っていたんですよね。

それに、あのしんみりさがむしろ良かったと自分は思っています。たくさんの騒動を起こして、人から憎まれ、それ以上に好かれて。嵐のように過ぎ去ったファーンズワースもといジョーの楽しい思い出は、観ている人々の心にも残ったのではないでしょうか。

コラム

以下では鑑賞中に気になったちょっとしたネタなどをご紹介しています。

ジョーの墓があった場所

ジョーの墓があった場所ですが、日本人の墓がいっぱいあるんですね。文字がはっきり見える墓は全て日本の墓で、「先祖代々の墓 〇〇」と書いてあります。また、ジョーは火葬という演出の都合なのだと思いますが、火葬した灰を墓の花にかけていました。どこの宗教に所属していたんでしょうねジョー…

調べてみたところ、おそらくここはロサンゼルスのエバーグリーン墓地のようです。日本人の墓もいっぱいあるそうですよ。

Heaven Can Wait (1978) — Set-Jetter
Filming locations for Heaven Can Wait (1978) starring Warren Beatty

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