女王の半生と共に振り返る、おしゃれの系譜
この本は偉大なエリザベス女王の様々なファッションと共に、その半生を振り返ることができる絵本です。日本の一般市民には馴染みのない女王の生活の一部をビジュアルで見ることができるので、大人が読んでも楽しめますよ。
また、エリザベス女王は戦時中など苦難の時代を生きた女王です。若く、誇り高い女王は戦後の復興の中、人々に希望をもたらしました。そういった女王の逸話も紹介してくれていますので、イギリス王室について知りたい、けれど全く知識がない…というわたくしのような者にはいい入口になったと思います。女王のことについて、もとい王室についてさらに詳しく知りたい場合には、別の書籍をあたるとよいと思います。
この絵本のすごいところは、作者が「ザ・クラウン」というエリザベス女王のドラマの衣装デザイン担当であることです! 女王の服装にとても詳しく、生まれた時から今までの色んな服を紹介してくれます。特に、女王がこだわりを持っていたという帽子はたくさんイラストがあるんですよね。
激動の時代を生きた女王の功績やお人柄の分かる思い出も紹介
生まれた時の伝統の産着から始まり、幼少期を過ごした城でのお気に入り、ご趣味の乗馬について、ウェンディングドレスについて、晩年のご趣味のガーデニングの時の気さくな装い、そして何より、女王の大好きだったという帽子のコレクションの数々。さらには、王室に伝わるジュエリーの紹介なども掲載されているのですが、その全てに女王のお人柄や思い出の紹介があります。
例えば、以下のようなものがありますよ!(王室について詳しい人は当たり前に知っているようなポピュラーな逸話らしいのですが…)
軍に入り、作業着でエンジンの付け替え
第二次世界大戦の時、17歳だったエリザベス女王は近衛歩兵連隊の隊長として隊を視察しました。女子国防軍(支援や治安、伝令、レーダー操作など)に入隊し、運転手と整備士の訓練を受けたそうです。王族の方って入隊して現場に入るんだと知って、驚きました。大型トラックのエンジンの付け替えができるお姫様ってすごいですよね。
↓他にもパワフルな逸話をたくさんお持ちです。
エリザベス女王のウェディングドレス
女王が国民から愛されているエピソードはたくさん出てきますが、ウェディングドレスのお話は心温まりましたね…!エリザベス女王の結婚式は戦後だったのですが、当時は王族も布など生活品は配給券で買う時代でした。女王のウェディングドレスも配給券で作らねばならず、国は200枚の配給券を進呈します。
この配給券、実はやりとりしてはならないのですが、国中の若い女性が自分の配給券を女王にプレゼントしたそうですよ! 当時の女王の人気がうかがえるエピソードです。しかし女王はそれを全て丁寧に送り返したそうです。
↓こちらのサイトに実際の女王のドレスの写真があります。
活動的な趣味をお持ち
エリザベス女王は乗馬がお好きなことで有名です。女王のみならず、アン王女や孫のザラさんも乗馬が好きで、オリンピックの選手に選ばれているんですよね。
また、女王は趣味がガーデニングなので、動きやすい服や、なんとゴム長靴をはくこともあります。古い靴も修繕して大事に使っており、新しいものを買うよりも古いものを修繕して使うのがお好きだったそう。
↓こちらのサイトに乗馬のご趣味の話があります。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/woman/2022/06/post-713.php.
この絵本、そこそこ大型の絵本ですので絵も多く、ページも結構あります。視覚的にもとても楽しく、まさしく女王さまのワードローブを覗き見ることができる上、いい勉強になりました。
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