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愛猫と災害に遭ったら…『どんな災害でもネコといっしょ』徳田竜之介

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災害に遭ったとき、ペットってどうなるの?!

昨今は気候の変動で、思ってもみない地域に様々な災害が押し寄せるようになりました。わりと安全な地域だと思っていたわたくしの県でも、昨年はかなり大きな嵐が来て看板が吹き飛んだりと恐ろしいことになっていましたね。

さて、災害に遭った時には人間が避難所に避難しなくてはならないという状況にもなります。そんな時、飼っているペットはどうしたらよいのでしょう。ほとんどの飼い主さんは「一緒に連れて行くに決まってんだろ!」と仰ると思いますし、国の方針でもそのようになっています。

↓人とペットの災害対策ガイドライン 環境省

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h3002/0-full.pdf

ですが、一様にそれで全てが円満解決というわけにもいかない事情があるのです。国の方針ではペットを連れて逃げるようにとあるのですが、実際、避難所にペットを連れて行ったら断られたというケースが発生します。

避難所でのペットトラブル

大体予想はつくと思うんですが、万人が動物が好きなわけではないんですね。

単に動物が苦手という人から、猫好きだけど犬は無理という人まで様々です。当然、アレルギーの問題もあります。匂いや衛生の問題もあります。また、災害でストレスを受けたペットが吠える等のトラブルが発生した事例もあります。

じゃあ人命を優先して連れて来なかったらいいかというと、そういうわけにもいきません。はぐれてしまったペットが野良犬になって人に危害を加えたり、繁殖してしまったりして地域の安全や衛生が悪化してしまいます。そもそも終生面倒をみると決めた家族同然のペットを放り出すなんて、心情的にも義務的にもできるわけがありません。

この本には、災害に面した飼い主さんたちの生の声が記載されています。飼い主さんたちだって人間ですから、ペットに対する苦情というのが理解できます。だからこそ板挟みになって辛い思いをしますし、中には帰らぬペットの話も出てきます。

家にペットを置いて来たり、避難所にペットが入れなくて外に出していたり、別の一時預かりシェルターに預けたり、車中泊したりなど色んな例が紹介されていますが、大事なことは著者も主張するとおり、住み分けだと思います。そして、国のガイドラインにもある通り飼い主たちが自助することが重要になってきます。

では具体的に、どんな準備をしていたらいいのでしょう。

ペットのために、何を準備したらいいのか

こちらの本では、ペットの防災対策だけではなく人間の防災対策も教えてくれています。実は実際に被災したことのある病院の院長先生が書いた本なんです。ためになることがたくさん書いてありますが、それを読んだ上で「自分が持って行くならこれやな!」という防災セットを考えてみました。因みに、わたくしが飼っているのは猫が3匹です。

①迷子対策
猫の迷子対策といえば、近年マイクロチップ登録が義務化されましたね。うちの猫もチップが入っています。そしてチップをいれると識別番号の控えみたいなのがもらえますから、まずはそれを忘れないことですね!ただ、首輪に関しては小さい頃から慣れさせていないとつけてくれないため、慣れていない猫さんは苦戦するかもしれませんね。

・マイクロチップの番号の控え
・住所と電話番号が書いてある首輪
・県の保健所や愛護センター、行きつけの病院の電話番号

②猫の棲家
避難した場合に過ごす猫の棲家ですが、基本的にキャリーケースになります。リッチェルの大きいやつだと、大人の猫が二匹は入るサイズになっています。これ、上から猫を入れられるので便利なんですよ!そしてドアの取り外しがめちゃくちゃ楽なので掃除が簡単です。

猫飼いの方ならご存じの方は多いと思うのですが、この手のキャリーは病院に行く時だけ出すと猫が苦手意識を持ってしまうので常に部屋に放置しておいたほうが吉。布製のキャリーもあるのですが、猫が漏らしたりした時に掃除しやすいのがプラスチック製のメリットですね。逆に妹が持っていたのはサークルという自由度が高いキャリーでした。これは持ち運び便利な上、広々と過ごせます。

ただ、避難所で猫を出し入れしているとネコが大脱走する可能性があります。猫をお散歩させるタイプの方なら既にお持ちだと思いますが、リードやハーネスがあると安全ですね。因みにこれは実物見てから買った方がいいと思います。猫の体型によって抜けやすかったりするので…

まとめますと、以下のような感じです。

・キャリーケースやサークル、外界遮断のため掛けるバスタオル
・リードとハーネス
・キャリーに敷いておくペットシーツ。慣れた毛布とかも
・寒い時期なら湯たんぽ、熱い時期なら氷枕のようなもの

③ご飯と常備薬
避難所では基本的に人間にしか水や食料が配給されない可能性が高いです。そのため、猫用の水とご飯は必須となります。一週間くらいを準備するとして、確か猫1匹あたりの水が一日200cc弱のはずなので(体重によって異なります)、うちの場合は600ccのペットボトル7本ですね。ご飯はジップロックに入れちゃうのがいいかと思います。

で、問題が食器なんですが、うちは雑菌がつきにくい陶器のお皿を使っています(プラスチックだと傷がついてそこに雑菌がたまりやすいらしい)。でもこんな重いの3匹分も持って行けない…

そこで思ったのが、使い捨ての食器です。人間だと被災した時に「食器にサランラップを敷けば洗わずにずっと使える!」というテクがあるのですが、猫でそれをするとラップを誤飲するおそれがあります。だから紙皿を持って行って捨てればええんちゃうか?と思いました。あるいは、誤飲しないであろうクッキングシートとか。

ところで、猫ちゃんの中には持病がある子もいます。そういう場合にはお薬も必要になってきますね。うちの猫は幸い健康体なのですが、一匹めちゃくちゃ神経質な猫がいます。多分、被災したらストレスで間違いなく禿げます(比喩じゃなくて近隣で大きな工事があった時、マジで禿げました…)。

その場合にはお医者さんからサプリメントをもらうのが良さそうです。実際、ストレスを和らげるサプリメントを受けていた時期がありました。ただ、この手のものは餌に混ぜるケースが多いのでおやつもいりますね。因みに、粉薬はちゅーるよりもパウチ状のご飯に混ぜた方がいいです。ちゅーるに混ぜると粉っぽいところが固まってダマになり、「いらん」って猫に言われます。

また、ノミダニの薬は絶対要りますね。うちは室内飼いなので普段全然こういう虫はつかないんですが、避難所でドタバタ遊ぶわけにもいかないんで外をお散歩させればつくと思います。そしてそれがよそ様のペットについてしまう可能性があります。逆もしかり。お互いに虫をつけさせないことが大事ですね。

まとめますと、以下のような感じです。

・水、ごはん、おやつ
・使い捨て食器、クッキングシート
・サプリメント
・ノミダニの薬

④猫のお手入れ
猫のトイレもないと当然困ります。猫の糞には感染症の原因になるものがいっぱいいるので、きちんとした管理が義務になりますね。こんな感じの猫用のポータブルトイレもあります。ポイントは、猫は砂をめっちゃまき散らすのでカバーがついてるところだと思います。

因みに、猫の災害時トイレとかを調べていると段ボールとビニール袋と新聞紙でいけた!という事例が結構あります。実は猫砂って結構重いんですよね。新聞紙で対応すれば軽いし、ガンガン変えられて衛生的にもいいと思います。あと、猫の糞は人間のトイレに流すと詰まるので、絶対に流さないようにしましょう。ついでに消臭ビーズなんかがあるのもいいかもしれませんね。これに関しては猫の好き嫌いがあるので、事前にそれだけ注意した方がいいかもしれません(うちのは平気でした)。

そして猫の身だしなみも大事です。特に、長毛であればブラシは必須となります。毛が舞ってアレルギーの人に迷惑がかかる可能性もありますし、猫も毛玉をはきやすくなってしまいます。また、思わぬ事故を防ぐため爪切りも必要だと思います。ブラシは猫によって合う合わないがありますが、毛をお手入れする目的のものと、猫をマッサージするのが目的のものがあります。豚毛のブラシはほんといいですよ…!

まとめるとこんな感じです。

・猫のトイレ(器、砂、スコップ、ゴミ袋、吸水シート、消臭ビーズ)
・ブラシ、爪切り

さいごに

防災本として、ただ「これを持って行きなさい」と書かれているだけのガイドブックではありません。実際に被災を経験した先生であるからこそ、強い思いとその実践があります。本の中には辛いお話や悲しいお話もあります。考えたくないですが、被災したらペットは最悪死にます。

災害時は自分や家族を含めた人命が優先されますが、ペットを守るのは飼い主たちの責任です。飼い主が個人でどうしたらいいのかを考えると同時に、国のガイドラインにもあるように自助や共助に目を向けることが重要になってくるのです。そういった共助やコミュニテイーのお話も、具体例を用いてたくさん書いてくださっている本です。

ペットを飼っている方であれば、一度手にとってはいかがでしょうか。

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