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子供のスマホはいつから渡すの?『13歳からのネットのルール』小木曽 健

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時代を追うごとに複雑化する子育て

小学生で既にスマホを手に入れているということも多い昨今、子供時代にはスマホなんて触ったこともない大人達は「子供とスマホの付き合い方」に頭を悩ませています。スマホは利便性と危険性が表裏一体の代物、そして遮蔽されたプライベートそのものです。大人が勝手にチェックできるようなものではありません。

では子供、そして見守る大人はどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。

ネットの危険ってどこから教えたらいいのか?

そもそも、ネットの危険と一言でいったところで無数に存在するわけです。詐欺だの、出会い系だのといった子供が被害者になってしまうものから、いじめや、著作権侵害といった子供でも加害者になってしまうものまで様々。

一体どこから何を教えたらええねん…それに答えてくれる一冊がこの本。

『13歳からのネットのルール』の発行は2020年の11月ですが、最近のネット犯罪や炎上、SNSなど子供には知っておいて欲しいネットの危険を網羅しています。例えばこんな話。

・炎上したらどうしたらいいの?
・未成年を狙う変質者の手口
・SNSってどういう心構えでやったらいいの?
・ネットのいじめについて

著者がネットにどっぷり浸かっているネット大好きな方なのだそうですが、それ故に善良な一般論を述べるのではなく、リアリティのある意見を述べてくれます。

例えばSNSについて述べられているページでは、「悪いことを書いてはいけません」のような抽象的な話ではなく、具体的にどういうレベルの話ならSNSにのせていいのかということを教えてくれます。また、そうしてモラルを説く一方で、他人の意見に賛成するのも批判するのも自由なのがネット、という個人の権利の側面をも教えてくれるのです。

ネットとはどういうものなのか。悪い人はどこにつけこむのか。自分が悪者にならないためにはどうしたらいいのか。子供に知っておいて欲しいことがほぼほぼ全部書いてある上、文章もとても分かりやすい親切設計です。

スマホ禁止ってぶっちゃけ意味ないぞ!

この手の本で最も気になること、もといニーズがあることと言えば…

子供にどうやってスマホのルールを守らせたらいいのか

だと思います。いつから与えるの?とか、何時まで使わせたらいいの?とか、課金ってどうしたらいいの?とか色んな悩みが各家庭に存在しているわけですが、それを総括するのが「どういうルールが一番子供に効くんですか」という質問だと思います。

まず言えることは成績が下がった子供にスマホ禁止は意味がないということですね。本でも紹介されていますし、自分も塾講師してた頃にちょいちょい見かけましたが、「この前の期末テストで点が悪かったからスマホは一週間没収します」とか「夜九時以降はスマホ禁止!」とか、実は意味がないんですよ…

何故なら、スマホが没収された一週間や夜九時以降で勉強してくれるとは限らないからです。ていうかむしろ、親から没収されたりしたことに腹を立てて逆に勉強しないとか、スマホ以外の媒体(パソコンとか)で友達とゲームしてたりとかします。また、そんなに頻繁なケースではないと思いますが、スマホ没収期間で友情関係に不利益が起こったり、クラスの何等かの連絡事項(重要なものでもラインで回ってきます)を受け取れなかったりすれば、親に不信感が募ります(募らなくても子供がトラブルに巻き込まれたら悲しいし嫌なものですが…)。

結局のところ、スマホの存在そのものが成績を下げてるわけじゃないんですよね。

スマホは与えてはならない?!

読んでて一番印象に残ったのが、「スマホは与えてはならない」という話です。
(子供に一切使わせないとかいう話ではないです)

ほとんどの家庭で「スマホは何歳から与えたらいいの?」という悩みがあるわけですが、「あなたのもの」と全権限を与えてしまうと駄目だそうです。確かにこれは同感だな~と思いました。問題があった時に親が「子供の所有する私物」を奪い取るのは簡単なんですが、本人に完全に納得させるのは難しいからです。

子育て本なんかをよく見ていると、「矛盾した子育てをしていると子供は納得できなくて混乱してしまい、言うことをきかなくなる」という話をよく聞きますが、それと似たようなものだと思います。「中学生になったからあげる」って言われたスマホを「やっぱり駄目」って言われたら反感を覚えるでしょうし、取りあげた後で色々考えた結果「やっぱりあげる」となったら親の言うことが二転三転します。

しかも、一回取り戻させている(没収しっぱなしにはできないと思います)ということは、なんやかんや屁理屈つけたら取り返せるっていう経験も与えてしまってますし…

勿論、スマホがないと困ることの方が多いので最終的に子供にはスマホを持たせるわけですが、ようは「使わせ方」なんですよね。

ルールは家庭による

スマホは使おうと思ったら大人でも無限に使ってしまう魔力があります。休日にだらだら動画見て一日が終わったなんていう大人も珍しくありません。なので当然、ルールというものが必要になります。

このルールはネットとか調べているといくらでも落ちているわけですが、たいてい制限時間や制限時刻がついていたり、こういうサイトは使わないとか課金はどうするとかいうのが色々出てきます。ただ、そのルールがうまくいっているのはその家庭だからの話であって、自分の家庭でうまくいくかというとそうじゃないんですよね。

だから、自分の家庭ではどういうルールがいいのかを探さないとならない。この具体的な施策も解説してくれていますよ。ポイントははじめっからガチガチにしてしまわないことです。

「これが完全ルールです!」と施行されたものに後から後から追加や改定があると「後出しじゃん! ずるい!」となって子供のルールを守る意欲も下がりますもんね。

また、ルールが破られてしまった時の対処法も勿論あります。これも子育て本なんかによくある話になりますが、頭ごなしに怒らないこと。ルール破りの全てが子供の我儘というわけではないのです。

大人のためにもなる

ファミリー向けの内容ではありますが、炎上したらどうしたらいいとか、お気持ちやくざとは何なのかとか、大人が読んでもためになることがたくさん書いてある本ですので、是非お気軽な気持ちでお手に取ってもらえたらと思います。

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