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『アバウトタイム』感想レビュー!タイムトラベルで過去改編して人生やり直し!”本当の幸せ”とは

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映画情報

邦題:アバウトタイム
原題:About Time
公開年及び国:イギリス(2013年)
上映時間:124分
監督:リチャード・カーティス

<キャスト>
ティム(主人公):ドーナル・グリーソン
メアリー(ヒロイン):レイチェル・マクアダムス
ティムの父:ビル・ナイ
キャサリン(妹):リディア・ウィルソン
ティムの母:リンゼイ・ダンカン
ティムの叔父:リチャード・コーデリー
ローリー(職場の先輩):ジョシュア・マクガイア
ハリー(偏屈な脚本家):トム・ホランダー

<概要>
裕福で仲の良い家庭に育ったティムは、パッとしない地味な青年。しかしある時、父からこの家の男児に伝わるスーパーパワーのことを知らされる。それは、時をさかのぼり人生をやり直すことができるというものであったが?!

こんな人にはおすすめ!&おすすめしない!

<こんな人におすすめ>
・恋愛だけでなく家族愛も味わいたい
・順風満帆のハッピーエンドは飽きた
・タイムトラベルものが好き
・主人公が無垢な映画が好き

<こんな人にはおすすめしない>
・ファンタジー要素はいらない
・主人公は完璧で強い男であって欲しい
・アクションや戦いが観たい
・悲しみのない完全なハッピーエンドであってほしい

評価

【個人的な評価】

ストーリー
★★★★★★★★★★

画面映え
★★★★★★★★★☆

ユニーク
★★★★★★★★★☆

恋愛ものとしても優秀ですが、ファミリーストーリーとしても非常に感動します!過去を変えられる超人的能力というものが完璧ではないというのも良いところですね。

【ネットなどでのおおよその評判】

・自分の生きる今日を大事にできるようになった
・甘くて可愛い素敵な恋物語
・父との絆に感動する

・自己都合で歴史改編するのが嫌い
・設定が複雑で分からなかった

自分の生きる日々について深く問いかけてくれる映画ですので、自分の人生について考えるきっかけになります。その一方で主人公に共感できないケースもありますが、全体として評価が高いです!

あらすじ

裕福で家族仲も良いという幸せな家庭に生まれ育ったティム。しかし奥手で内気なため、好きな女の子にアタックすることもできません。ところがある時、一族の男児にだけ伝わるスーパーパワーを父から伝授されます。それは、過去にタイムトラベルし、人生をやり直しすることができるというすごい能力でした。

その力を駆使すれば、いくらでもミスをリカバリーできます。好きな女の子をゲットし、幸せな家庭も手に入れることができたティムは大成功。もっと家族を幸せにしたいと思い、落ちぶれていた妹を助けてあげようとするのですが…

実はこのスーパーパワーには、絶対に歴史が不可逆にならざるを得ない、やり直せないタイミングというものがあったのです。

見どころ① スーパーパワーで地味な青年が無双するが…?

地味で大人しくてパッとしないティムは、タイムトラベルの能力を手に入れたことで人生が変わります。この能力は、自分の任意のところの過去を改変し、現在にサッと戻ってこれるんですよね。つまり、好きな女の子へのアプローチが失敗してもやり直しがききます。告白も、初のお泊りも、親挨拶も全部やり直しがききます!

因みにお父さんはこの力で人の限界を超えた読書をして幸せになり、お爺さんは金のために使おうとして破滅しました。ティムはその力で彼女作りをしようとします。まあそういうとチャラく聞こえるんですが、つまりは将来の幸せな家庭を作りたいと思ったわけですね。また彼は善人でして、友人や妹を助けるためにも惜しみなく能力を使おうとします。

ところがこの能力は万能ではないんです。例えば付き合いたい女子がいたとしても、彼女の方が「絶対ティムは無理」と思っていたら小手先のテクニックを100点満点にしたところで付き合えません。また、誰かがティムの知らないところで彼女に「ティムはやめといた方がいいよ」と噂するのを止めることもできません。人間1人が干渉したところで止められない過去というのが発生するんです。

その上、同時刻に2つの過去に介入することはできません。友人を助けようと思ったら、口説きたかった女の子との出会いを諦めないといけない、という事態も起きます。能力ではなく自分の努力で行くしかない!というパターンもあるわけです。

勿論、基本的にはいいことが多いわけですから、ぱっと見は初見でうまくいっていそうなことでも「お前これ絶対やり直しただろ!www」というシーンがいくつも出てくるのも楽しい見どころの一つですね。

見どころ② 能力が受け継がれない、妹の存在

ティムにはキャシーという妹がいます。ティムとは兄妹仲もよく、不良っぽいけどいい子なんですが…キャシーはいい彼氏に出会えず、DV彼氏と付き合い、酒浸りで仕事もクビみたいな、いいことなしの落ちぶれた人生を送っています。この子は勤勉ではないんですが性格いいので、むしろそれがこの状況のきつさに拍車をかけるんですよね。

先述のとおり、このタイムトラベル能力は一族の男児にしか継承されません。つまり、妹はどんなに辛いことがあっても人生でやり直しすることができないんです。それでも兄の幸せを一緒に祝ってくれる優しい妹のことを、ティムは不憫に思います。自分以外の人はそもそも人生にやり直しなんてきかないということを、思い出させてくれるんです。

ティムはやり直しがききますから、人生をうまいこといい感じに運ぶことができました。でもそんな兄を見ながら、やり直しのきかない妹は「私はおちこぼれで馬鹿なの、何をしても駄目なの」みたいなことを言います。幸運なスーパーパワーがあることに対して、一種の後ろめたさが出てくるのです。

だったら過去に戻って妹を助けてあげたらいいじゃん!って思うじゃないですか。ティムも思いました。でも、ティムが過去に戻って妹を更生させて、いい感じの彼氏を紹介してやって助けてあげました!ハッピーエンド!ではないです。それもまたこの映画のいいところでして、結局のところ自分の人生って自分で何とかしないと駄目なんですよね。

見どころ③ 未来と現在、どちらを取るかの選択を強いられる

タイムトラベルで過去改変というスーパーパワーですが、実は無制限に使い放題していいということではなく、当然のごとくデメリットが発生します。それが「過去を取るか、未来を取るか」という話になってきます。

自分や家族、友人に不測の事態が起きる度にやり直しをして、みんなが幸せでいられる人生を作ってきたティムでしたが、ある時絶対に巻き戻ってはならないタイミングというものがあるのを知ります。父がそのことを教えなかったのはわざとじゃないかなと思いますが、一応物理的には巻き戻ることはできるんです。ただ、選択したくないような事態を受け入れなければ、タイムトラベルできません。

具体的に言うと、愛する人を1人救う代わりに、別の愛する人を失わなければならないという選択を迫られてしまうのです。そして辛い岐路に立たされて苦しむティムに、お父さんはこんな感じのことを言います。

「私はタイムトラベルができるとは言ったが、人生がやり直せるとは言っていない。」

実はお父さんも、同じ苦しい選択にぶち当たったことがあります。というか、この一族の男性はみんなこの苦しみを乗り越えています。そしてお父さんは自分の子供達を守ることを優先し、今に至るわけです。大なり小なりいじくったところで、人間の人生の在り方というのは大体決まっているんです。人というのは生まれたら、いつかは死なないとならないのです。

感想

タイムトラベルものというのでコメディチックなのかと思いきや、恋愛映画としても微笑ましくてキュートであり、さらに家族についても考えさせられる感動のある映画でした。そしてやはり、考察がいっぱいできて楽しいという一面がありますね。プロポーズのところとか、これやばい失敗何回もしてるんだなと分かります。

また、この手のスーパーパワーを手に入れる映画というのは大抵、何等かの制限(回数や場所)があったりして無敵ではないというのが定番です。例にもれずこの映画のタイムトラベラー能力も制限がかかりますが、何かに妨害されて制限されるのではなく、自分の意志で選択したくない、できないというのがポイントですね。チートじゃないけれど納得がいき、そして能力を使うとむしろワンチャン悪くなるという、人間の手に負えないものなんです。

結婚式の日に、伝えたいことが詰まっています。実は結婚式の天候が大嵐なんです。しかしそれでも式はサイコーで楽しいんです!普通結婚式なんていう人生の大イベントで雨が降ったらテンションダダ下がり必至なんですが、みんな幸せそうなのです。

嫌なことがあっても、もっといいことがあるからやり直す必要はない。これがこの映画の、この家族の本質みたいで好きなんです。メアリーは「人生は色んな天気があるの!楽しんで」と言います。その通りですね。

映画の最後で、パパは人生についてうまく生きる方法を教えてくれます。一般人の私たちでも「その通りだな」と共感できる生き方なのですが、ティムはあえてパパと違う生き方をすることにしました。この生き方こそ、はっとさせられる教訓なのです。

たんにファンタジーを経験して日常に戻ってきました、ではないのです。人生を楽しむためにどうすべきなのか、非凡なはずの彼の人生は、私たち平凡な人間にメッセージをもたらします。

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